呉服は、主に正絹です。
絹織物のなかでも様々な織り方があり、ここではほんの一部ではございますが、代表的なものをご紹介していきたいと思います。

着物によく使われる生地。
紋意匠(もんいしょう) 紋意匠縮緬の総称。艶のある紋柄が特徴。様々な地織りがあり、よく使われる生地です。
一越(ひとこし) 緯糸のことを一越、二越と数え、緯糸に左撚り、右撚りの強撚糸を交互に用いた絹織物。
綸子(りんず) 地紋織物の一種で、地組織は繻子織、模様は裏繻子。
緞子(どんす) 先染めの織物で五枚繻子組織が普通で、六枚の変わり繻子組織もあります。
縮緬(ちりめん) 独特なシボのある絹織物。


続いて帯によく使われるもの。
糸錦(いとにしき)

多くの帯に使われ、綾織の地に柄を織り込んだものです。
金襴(きんらん)

錦織りの一種で模様が全て金糸で織られているものを金襴といいます。
また、銀糸で織られているものを銀襴といいます。
佐賀錦(さがにしき)

紗綾や菱つなぎの地紋が特徴で、どっしりと重厚なものが多く、帯の他には草履やバッグにも用いられます。
縮緬(ちりめん)

織り方によりシボを出した絹織物です。
独特の風合いがおしゃれです。

塩瀬(しおぜ)

糸の密度が高い厚地の織物で、つるっとした感触が印象的な生地です。
その上に染めや刺繍をほどこした帯が一般的です。
鮮やかな茜色の地色に金糸刺繍を加えて柄を染めたもの。
塩瀬の白生地に墨色の濃淡で柄を描いたもの。
クリームに染めた塩瀬の生地に紅型染めで柄を付けたもの。
博多織り

太い緯糸を経糸でくるむようにして織ったものです。
福岡市を中心に生産されるもので、伝統的な献博多と現代的な紋博多とがあります。
独特の縞模様としゃきっとした風合いと光沢が印象的です。
博多の献上柄と縞模様を織り上げた、代表的な柄行。
博多の紋織り地に、華柄を織り上げたもの。
こちらは博多の半幅帯。
縞と麻の葉を織り上げたもの。
綴れ(つづれ)

とても独特で大変な技術が要されるもので、鋸のようにした爪で引っかくように織り上げます。
ざらざらと砂のような感触で、高価なものとされています。
綴れ織り 絽綴れ
唐織(からおり)

中国(唐)伝来の錦の伝統的な技術のため唐織りと呼ばれます。
綾織の地の模様の上に、色糸を使い模様を縫いとりで織り出したもの。
ふっくらした風合いが魅力です。
着物地 帯地
紗織り(しゃおり)

夏物としてよく使われ、細かな網のような風合いで、透け感が大変涼しげです。
縫い取りや箔などの文様を付けたものや、文様を織り上げた紋紗があります。
紗織り 紋紗
絽織り(ろおり)

夏物としてよく使われ、横絽や縦絽、平絽などがあり、軽く通風性があり、染め帯や帯揚げなどによく用いられます。
絽織り 駒絽
羅織り(らおり)

夏物としてよく使われ、網目状の織物で、紗よりも目が粗い感じです。


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