加賀友禅

加賀友禅の発祥の地は、金沢。


17世紀中ごろには「加賀御国染め」と呼ばれる技法が確立されていました。


その後、加賀友禅の始祖「宮崎友禅斎」の活躍により、加賀友禅は大きな発展期を迎えました。
また、加賀友禅という名は宮崎氏より由来されているそうです。


加賀友禅は、写実的で絵画調な画風が特徴で、草花、鳥、山水を主とした大変に細かい模様の手書きで、糸目糊による白い線がとても美しいとされています。


「ボカシ」や「虫喰い」といった独特な技法を用い,
落ち着きと品格のある染物として、今もなお大切に受け継がれています。




ボカシ


虫喰い



色彩は「加賀五彩」といわれる、藍、臙脂、黄土、草、古代紫を基調とした色使いが特徴です。


そしてもう一つの大きな特徴といえば、加賀友禅の作家と呼ばれるには、 『加賀染振興協会』 に登録されなければならないことではないでしょうか。


その作品には必ず 『手描技術登録者』 の落款が押されています。


作者は固有の落款を持ち、自分の作品であることの証として作品に落款を押しています。


落款の意味はそもそも、 「書画が完成したとき、作者が署名・押印すること。またその署名・押印」 とあります。


協会に登録した落款のみを認めているといった制度は珍しく、加賀友禅ならではの品質、伝統工芸品としての歴史、また誇りさえも感じるところです。




初代 由水十久 先生の落款




もどる