加賀友禅の代表作家・初代 由水十久。 加賀友禅の特集には必ずと言って良いほど、名前と作品が紹介される有名な作家です。 幼い頃より、日本画を研修し、日本国内はもちろん、海外でも個展を開くなど、その才能を惜しむことなく、発表していきました。 写実的な草花模様が中心の加賀友禅の中で、模様としては最も扱いにくい題材とされる人物画を好み、特に童に対する思い入れは独自の世界感があります。 作品の筆書きの冴えには定評があり、本物志向のこの時代に最たるものと承っております。 能・歌舞伎・郷土芸能・あるいは古典文学にいたるまで、着物だけにとどまらず、 染色による大画面の壁画装飾や、額装、軸ものなどにも意欲的に取り組みその才能を発揮しました。 |
略年譜 |
大正2年 | 金沢市加賀 大野港 (現在は金沢港) に生まれる |
昭和2年 | 京都に出て、紺谷静蕉の門に入り、友禅染めの修行をはじめる |
昭和13年 | 京都にて独立 |
昭和22年 | 故郷 金沢に帰り、仕事をはじめる |
昭和41年 | 日本各地で個展を開催する。(東京・大阪・神戸・金沢・仙台・ 高松など) |
昭和48年 | 加賀染振興協会 理事となる |
昭和50年 | 「加賀友禅 由水十久 作品集」 を出版する |
昭和52年 | 伝統工芸士に認定される |
昭和53年 | 石川県指定 無形文化財 加賀友禅技術保存会 会員 に 認定される 染め絵集「うなゐ」豪華本を出版する |
昭和57年 | アメリカシアトル市より招待を受け、シアトル市文化ホールにて 個展を開催する 染絵集「夢幻泡泛」を出版する |
昭和58年 | 第6回「石川テレビ賞」を受賞する |
昭和59年 | ユニセフ 1984年版 「ユニセフ・グリーティングカード」 の デザインに、 染絵集「うなゐ」より、2点の作品が採用される 「続 由水十久 作品集」 が出版される |
昭和63年 | 7月10日 現世に別れを告げる 享年 74歳 7月15日 「醍8回 伝統文化 ポーラ大賞」 を受賞する |